【∞の個数を持つ宇宙】
あなたの住む宇宙には名前が無い。
そこで、この宇宙を「あなたの住む宇宙」と命名しましょう。
「あなたの住む宇宙」は「3次元空間+時間」の4次元時空でできている「一つの宇宙」であることは間違いなさそうです。
しかし、現代の量子力学を基底とする物理学においては、「あなたの住む宇宙」以外の「別の宇宙」の存在が強く示唆されています。
しかも、その存在個数(数量)は「∞」です。
「∞」であるならば「全てのパターンの宇宙」が存在しなければなりません。
その中には、あなたと全く同じあなたの住む別の宇宙が無限にあります。
あなたと少し違うあなたの住む宇宙、あるいは、あなたの存在しない宇宙も無限にあります。
物理定数が「あなたの住む宇宙」とは異なる宇宙や、物理法則すら異なる宇宙もあります。
このブログでは、これら複数(無限ですが)の宇宙の集合をマルチバースと呼ぶことにします。
マルチバースの中にも、幾つかのレベルが存在しますが、その考察については違う機会にしたいと思います。
【観測できないものは存在しない?】
マルチバースの中において、それぞれの宇宙同士の間では互いに観測することは不可能とされています。
何故なら、「あなた」を含めて、この4次元時空に張り付いている物質が、そこから離れて存在する手段は今のところないからです。しかし、過去に「不可能」とされたものが、後に「可能」となる例はいくらでもあります。いつの日か別の宇宙を覗き見る日が来るでしょう。
但し、観測できないとは言え、マルチバースは理論上、存在すると考えられます。
何故なら、多くの実証実験により真性が確認された理論の延長線上に認められるマルチバースが、もしも存在しないとなれば、その根源である理論自体のどこかに誤りがあることになるのです。
また、ここ数十年においてマルチバースの存在を否定し、かつ、実証実験結果との整合性を持つような強力な理論は提出されていません。
確かに、現在のところマルチバースを観測することはできません。
しかし、それは観測技術の問題です。
つまり、「観測できないものは存在しない」のではなく「存在するものを観測できない」というのが正しい表現です。
何故なら、地球が丸いことは大昔から計算上わかっていましたが、それを見るのに何千年もかかりましたし、重力によって空間がゆがむことも、ブラックホールの存在も計算上、それを知ってから実際に観測できるまでには多くの年月を必要としてきたことを歴史が語っているからです。
【あなたは一人ではない】
ところで、別の宇宙に存在する「あなたと全く同じあなた」は本当に「あなた」とは別人なのでしょうか?
「全く同じ」というからには、その人のみでなく、その宇宙の全ての量子的状況が同じであることになります。
量子は数値で表される以外の個性を持たないので、数値が同じであれば同じものであると考えるのがシンプルです。
そうであれば、「あなた」は、「あなた」を含めた別の宇宙に無限に存在する「あなた」と全く同じ「あなた」の「重ね合わせ」の結果かも知れません。
そう、「あなた」は常に無限にいるあなたの重ね合わせであって、決して一人ではない。
そして、それが正しければ、「あなた」は既に他の宇宙を観測していることになるでしょう。