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  • 執筆者の写真K.Matsui

感情と無意識

更新日:2023年4月30日

【一番目の脳】


あなたの先祖は、ある時期から「物々交換」をするようになりました。

経済社会の始まりです。

現代では、現金やクレジットカードで物を買いますが、本質的には「通貨」を介して「物々交換」をしているようなものでしょう。


「物々交換」は、あなたが必要な物と彼らが必要な物が一致した時に行われるはずです。

同じようなことが、植物の根や動物の腸内でも行われています。

植物の根は土壌にありますが、根の周辺には土壌中の多くの微生物が住んでいます。

根と微生物は必要な物質を交換しながら生きているのです。

動物の腸内にも「腸内細菌叢」という、微生物の世界があって、腸と微生物の間で必要な物を交換しながら生きています。


あなたの身体は約37兆個もの細胞で構成されていますが、腸内細菌叢に住む微生物の数は約100兆個にも及びます。

彼らは単に物々交換をするだけでなく、欲しいものをリクエストすることもあります。

あなたが「野菜が食べたい」と思った時、それは腸内細菌のリクエストである可能性があります。


ところで、「腸」は「あなたの身体」という個体の発生においても、動物の進化という系統の発生においても、最初に形成されます。

その他の内臓器官は、「腸」を補助するために拡張伸展したものです。

そして、「腸」が消化を行うための消化酵素の分泌や蠕動運動をコントロールするための「腸管神経系」も同時に形成されます。

「脳」を含む、その他の神経系は「腸管神経系」から伸びた、いわば「出先機関」のようなものです。

よって、「腸管神経系」が一番古い「一番目の脳」となります。


「腸管神経系」は「脳」と独立して自律的に判断し各部位をコントロールしています。

また、「腸管神経系」と「脳」の間には太いホットラインがあり、「腸」から「脳」へ内臓感覚の情報がアップロードされています。


笑う子供達

【二番目の脳】


各末梢神経は「脊髄」を通って「脳幹(延髄・橋・中脳)」へとつながります。

「脳幹」は呼吸器官や循環器官などの「生命を恒常的な状態に維持する機能」を担当。

「脳幹」の後ろにある「小脳」は姿勢制御を含む運動を調整する機能」を担当。

「脳」の中央に位置する「間脳(視床・視床下部・松果体など)は自律神経の中枢。

「間脳」を包むように位置する「大脳辺縁系(偏桃体・海馬など)」は情動・本能・記憶を司り、「快・不快を決定する機能」を担当します。


ところで、あなたが「快い」と感じるのは、どんなときでしょうか?

週末のビーチで日の光を浴びながら砂浜で一人読書を楽しむとき?

それとも、大きな仕事を成功させて、仲間と祝杯をあげるとき?

一日の終わりに、シャワーを浴びた後のビールも「快い」瞬間です。


ここで、「快」とは「種の保存可能性を展張する状態」のことです。

あなたが「快」を感覚するときには、その状態にあるはず。

食欲・睡眠欲を満たすことは、個体の生命維持可能性を増進させるものです。

また、性欲(子育ても性欲の一部)は子孫繁栄可能性を増進させるものです。

これらは、全て「種の保存可能性を展張」する「快」の状態を生むもの。

社会的地位における欲求や、他者との関わりにおける承認欲求などは、食欲・睡眠欲・性欲(このブログでは、これらを展張欲求と定義します)を満たす機会を増進させるツールであり、突き詰めれば、その基底は展張欲求に還元されます。


この、「快・不快を決定する機能」を持つ「大脳辺縁系」までを「二番目の脳」と呼ぶことにします。


【感情が生まれる場所】


あなたは「感情」を持っています。

程度の差はあれ、誰にでも「感情」があります。

この「感情」というものは、何処からやってくるのでしょうか?


「嬉しい」「腹立たしい」「悲しい」「楽しい」「好き」「嫌い」

この「感情」には理由がありません。

正確に言うと、明確な理由の認識がないまま生起するものです。


いったい「感情」とは何なのでしょうか?


「感情」は、あなたを取り巻く内外環境(あなたの内臓の状態も環境のひとつです)に対する「快・不快」の判断結果のことです。

そして、「快・不快」の判断は、「種の保存可能性の展張」という「本能」の求める基準に従うのでした。

つまり、「感情」は、あなたのDNAに仕組まれた「本能」によって生まれたものということになります。


そうであるならば、「感情」が生起する場所は「一番目の脳」である腸管神経系と「二番目の脳」である「大脳辺縁系」です。


また、あなたには様々な「感情」が生起しますが、その本当の原因を知る術はありません。

何故なら、これら二つの脳が支配する領域は「無意識」の領域なので、あなたの「意識」に立ちのぼることはないからです。


あなたの恋人に「何故、私のことが好きなのですか?」という質問はしないでください。

その回答は、必ず「嘘」になります。

何故なら相手は自らの「本能」に従っただけで、その本当の理由を知らないのですから。

そして、あなたも・・・。

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