【あなたの呼称】
「あなたは誰ですか?」
とても簡単な質問です。
あなたには名前があります。
あなたが幸せな環境下にあるなら国籍・誕生日・住所、IDカードも持っているでしょう。
更に、あなたの歯形や指紋・網膜あるいはDNAなどの身体的な特徴は、あなたが誰に当たるかを検索するのに役立ちます。
このように、「あなたは誰ですか?」という問いに対して、「自分の名前」を答えることは簡単ですし、「人類という集合の中の、どの要素に当たるか」というIDカードの情報も、必要であれば容易に答えられるでしょう。
あるいは「この自然世界の中の、どのようなカテゴリーに属するのか」ということも、このブログの読者なら答えることができます。
しかし、名前などに代表される、これらの「あなた」は外部環境の中で「あなた」を特定するための呼称に過ぎず、「あなた」の本体ではないのです。

【あなたの本体】
あなたは、いま目の前にある「画面」を見ています。
ただ、漫然と見ているのではありません。
その画面に映し出された「文字」の形を「脳」の中で何かしらのイメージに変換しながら、書かれた内容の意味を理解しようとしています。
この時、「画面のフレーム」も視界に入っているはずですが、それを特に気にしない限りは、あなたの「意識」に「フレーム」の情報は余り入ってきていません。
そう、いま、あなたの「意識」は文章を理解することに集中しているため、その他の情報を体のシステムが意図的に遮断しているのです。
それでは、ここで質問です。
「あなたは、今、何を考えていますか?」
この質問によって、あなたの「意識」は文章理解から離れて「自分自身」を外側から見ようとする視点に切り替わりました。
ここまでを整理します。
「気にはしていないフレーム」を認識しているのは、あなたの「無意識」の領域です。
「文章理解」に励んでいるのは、あなたの「意識」の領域です。
「自分自身」を外側から見ているのは、あなたの「自我」の領域です。
これら三つの領域は全てが「あなた」の本体を構成しています。
【あなたは誰ですか?】
古来より人類は「心」というものを追い求めてきました。
この場合の「心」とは「魂」「わたし」あるいは「意識」等とほぼ同じ意味です。
その中で、「心」は「肉体」から独立した特別な部分であるとする流れと、「心」も「肉体」の一部の器官に過ぎないとする流れに大きく分かれることになります。
現代では、後者が圧倒的に優勢ではありますが、「意識」等については統一的見解にまでは到っていません。
この混沌とした状況の中で、このブログでは、あなたと共に「あなたとは何か」について考察していくことにします。
さあ、本当の意味の「自分探しの旅」に出かけましょう。
この旅は、自分自身に、こう問いかけるところから始まります。
「あなたは誰ですか?」